こんにちは!
展示会営業(R)コンサルタントの清永健一です。
今年もあとわずかですね。
2021年を力強く業績向上していく年にするために
とても重要なキーワードがあります。
それは、「DX」というワードです。
このコラムでは、中小企業が「DX」に取り組むためのポイントを
お伝えします。
目次
ご存知の通り、DXとは、デジタルトランスフォーメーションの略です。
「『デジタル』『トランスフォーメーション』の頭文字を取るなら
DXではなくDTじゃないか?」
と感じる方も多いでしょうね。
実は清永も疑問に思っていました。
調べてみると、
その理由は、英語圏では「トランス(Trans)」を省略する際に
「X」と表記することが多いから、とのことでした。
なるほど、なるほど。
いきない余談になりましたが、話を戻します。
コロナ下以降、
この「DX」や「DX化」という言葉をTVや新聞で耳にする機会が急増しています。
経済産業省が2018年12月に発表した「DX推進ガイドライン」によると、
DXとは、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、
顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、
業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」
と定義されています。
コロナ下は、企業のDX化を一気に加速させました。
マイクロソフトCEOのサティア・ナデラ氏は、
2020年4月に行われた決算発表の場で
「2年分のデジタルトランスフォーメーションがこの2カ月で起きた」と語り、
注目を集めました。
コロナがもたらした接触自粛という習慣と“デジタル”というワードが
感覚的に結びつきやすいこともあり、
などと、ビジネス界でも声高に言われています。
清永もDX化の推進が今後の企業経営において重要テーマだという点については、100%賛成です。
しかし、規模の大小を問わず一様にされているDX化の進め方や取り組み方については、
少し疑問があります。
なぜなら、大企業と比べて中小企業ではDX化が進めにくい面があるからです。
このことは、具体的な数値として表れています。
【『日本企業の経営課題2020』 調査結果 【第2弾】
DX(デジタル・トランスフォーメーション)の取り組み状況(一般社団法人日本能率協会)】によると、
DXについて、「既に取り組みを始めている」と「検討を進めている」の合計が、
大企業は83.2%なのに対して、中小企業では34.9%に過ぎません。
このようになるのは、DX化の進め方に原因があるからです。
世のDX指南論を見ると、
とあります。
人材も資金も潤沢にある大企業なら良いのです。
しかし、多くの中小企業には、「DX推進部門を新設」する人的余裕はありません。
「社内制度の変更」と言われても、
そもそも現行の社内制度があってないようなものだったりします。
「IT環境を整備」する資金的余裕もなく、
コロナで急激に業績が落ちている現状、後回しにならざるを得ません。
DX化は、目的ではなくて手段です。
もっと、中小企業にも取り組みやすいDXの進め方があって良いはずです。
DX化を新規業務改革として取り組むのではなく、
営業をはじめとした既存の業務の経験を活かしつつ、
「少しアレンジして」行うことで結果的にDX化が進んだ、ということになるのがベストなのです。
そして、それこそが
営業戦略や営業体制の「DX」化をスムーズにおこなっていくためのツールとなる
『自前オンライン展示会』の開催なのです。
※自前オンライン展示会の詳細については、後述します。
中小企業には、きめ細かな対応力や小口受注に対する高い柔軟性など、
大企業にはない強みがあります。
『自前オンライン展示会』の開催を通じた「DX」化なら、
これらの強みをフル活用することができます。
そして、『自前オンライン展示会』なら、
実行のための費用がほとんどかからず、100%自社でコントロールすることができるのです。
経済産業省の「DX推進ガイドライン」では、DX推進のための経営のあり方、仕組みを次のように図解しています。
注目していただきたいのは、こちらの図です。
この5つの項目は『自前オンライン展示会』を開催していくことで自然と整っていきます。
例えば、「1.経営戦略・ビジョンの提示」については、
『自前オンライン展示会』開催において最も重要な「コンセプトの練り上げ」と符合します。
経済産業省の定義の通り、既存のビジネスをそのままデジタル化するのではなく、
製品・サービス、ビジネスモデルを顧客ニーズに変革することがDX化です。
自前オンライン展示会も、コンセプトの検討を通じて、既存の枠組みにとらわれず、
を考え抜き、決定していきます。
これはまさに「1.経営戦略・ビジョンの提示」に当たります。
『自前オンライン展示会』コンセプトの検討は、
当然ながら決裁者である経営者が策定にあたっての最終判断をしていきますし、
この段階で開催の目的・目標も明確化しますから、
「2.経営トップのコミットメント」もクリアされます。
また、開催のために部門横断的なプロジェクトチームを結成しますから、
「3.DX推進のための体制整備」も自然とできあがります。
さらに、 『自前オンライン展示会』の準備を進めていくと、例えば、
などの投資が必要になるケースもあります。
余談ですが、投資が必要になる可能性のあるシステムやツールを列挙していて気づきましたが、
ほとんどのものが無料ツールで十分対応可能です。
このような取り組みを通して、「4.投資等の意思決定のあり方」も自然と固まってくるのです。
そして、『自前オンライン展示会』の開催を通じて、
「5.スピーディーな変化への対応力」も養われていきます。
例えば、『自前オンライン展示会』で行うオンラインセミナーでは、
自社だけではなく、オンライン展示会のコンセプトと関連があり自社が競合しない企業にも
登壇を依頼することで成果が加速していきます。
こうした取り組みは、既存の枠にとらわれず、
自社のビジネスを変革していくという意味においてまさにDX的ですが、
このような他社との連携には、
その交渉の過程でさまざまな不確定要素をスピード感を持って乗り越えていく必要があります。
もたもたしていては、ご破算になってしまうかもしれません。
こうした経験を通して、「3.スピーディーな変化への対応力」が養われるのです。
いかがでしょうか?
『自前オンライン展示会』開催の5フェーズが、
経済産業省の「DX推進ガイドライン」の「DX推進のための経営のあり方、仕組み」と
見事に符合しているのです。
私が、
『自前オンライン展示会』の開催という実業務に取り組むことがそのまま、
DX化につながる
とお伝えしている意味をおわかりいただけたのではないでしょうか?
『自前オンライン展示会』開催に取り組んでいきさえすれば、
それがそのまま、自然と社内のDX化に直結するのです。
もちろん、それだけで万事OK、というわけではありませんが、
社内のDX化が、一気に加速することは間違いありません。
あなたも、『自前オンライン展示会』開催を通じて、
スムーズな社内のDX化を進めてほしいと強く思います
では、この『自前オンライン展示会』とは、どのようなものなのでしょうか?
実は、『オンライン展示会』という単語自体が、最近になって注目され始めた新しい言葉です。
さまざまな意味で使われていますし、
そもそも、清永が提唱する『自前オンライン展示会』という言葉自体、
清永がつくった造語のようなものですから、ここでしっかり定義しておこうと思います。
『自前オンライン展示会』とは、
次の2つの要素によって成り立つ、顧客獲得のための取り組みです。
これは、会社パンフレットのような既存の公式サイトとはわけが違います。
単なる商品紹介や会社案内とは異なる、
見込み客の問題解決に寄与するコンセプトをつくり込み、
そのコンセプトに合致したWEBサイトを開設します。
新たに開設するのではなく、既存ホームページの下層に配置する形でも構いません。
そして、そのWEBサイトにコンセプトに沿ったブログ記事や動画を掲載します。
このひとつ一つの記事や動画が展示会ブースにあたります。
このWEBサイトは、一年中ずっと開設されていますから、展示会的に言うと、常設展ということになります。
「WEBサイトを開設するなんてお金がかかるじゃないか!
コロナで先行きが見えないから少しでも支出を抑えて手元資金を厚くしておきたいのに・・・」
そう思ったあなたも、安心してください。
ペライチというサイトを活用すれば、無料でWEBサイトを開設することができます。
もちろん、VR(バーチャルリアリティ)などを駆使して
臨場感のあるサイトを構築するのも良いです。
コロナ下以降、ITベンダーが、さまざまなオンライン展示会ツールを開発していますから、
こういったものを活用することも可能です。
しかし、凝ったやり方は、時間やコストがかかりすぎてしまいます。
まずは、無料ツールで手軽に始めて社内に勢いをつけた後、
必要に応じてWEBサイトの高度化、高機能化を検討するというステップを踏む方が良いでしょう。
「WEBサイト? ホームページならすでにあるぞ!」
こう思った方もおられるでしょうね。
しかし、その「ホームページ」は、
あなたの会社商品・サービスや会社自体をわかりやすく説明する自己紹介型サイトなのではないでしょうか?
自己紹介型のホームページは、信頼証明のためには有効ですが、
それだけで、潜在的な見込み客を集められるようなものではありません。
つまり営業ツールとしては、ほぼ役に立たないのです。
見込み客を集めるためには、既存のホームページとは別に、
コンセプトをつくり込み、そのコンセプトに合致したWEBサイトを追加してください。
コンセプトとは、
「見込み客の問題解決に役立つもの」で「あなたの会社が顧客に提供する真の価値につながるもの」です。
※コンセプトのつくり方の詳細は、「展示会の費用対効果を最大化する出展コンセプト検討シート」をご覧ください。
リアル展示会の例を記載していますが、オンライン展示会でも考え方や手順は全く同じです。
次に、コンセプトに沿ったブログ記事や動画をサイトに掲載していきます。
「記事や動画をつくるって言ったってどうやるんだ?
外注する予算はないし、内製しようにも、うちにはそんなことができる人材はいないぞ」
大丈夫です。
記事や動画は、あなたの会社の営業マンや社員さんでも簡単につくることができます。
シフト制にして、全社員が記事や動画を数ヶ月に一度つくっていくというイメージです。
WEB上で検索されるキーワードを意識して記事や動画をつくっていくことで、
徐々にサイトの閲覧が増えていきます。
この閲覧者が、まさにあなたの会社の見込み客です。
この『自前オンライン展示会』サイトを運営していけば、自然と見込み客が増えてくるのです。
しかし、問題があります。それは、この方法が待ちの姿勢であり、
見込み客数が増加するスピードには限界があるという点です。
この問題をクリアするのが『自前オンライン展示会』のもうひとつの要素です。
オンラインセミナーの開催頻度は、3か月に一回程度が良いでしょう。
このオンラインセミナーに、見込み客を集客するのです。
このことによって、メールや電話によって参加を促す攻めの姿勢で活動できますから、
見込み客数の増加がスピードアップします。
こうして、増やした見込み客に随時アプローチし受注していくのです。
ぼく自身も、『自前オンライン展示会』を開催しましたので、
ここで実例としてご紹介します。コンセプトは、「リモート営業」です。
このリモート営業オンライン展示会のWEBサイトのイメージは、図の通りです。
実際にWEBサイトをご覧いただいた方がイメージできると思います。
こちら、「リモート営業オンライン展示会」からご覧ください。
このリモート営業オンライン展示会は、
無料ツール『ペライチ』を使って作成しました。
高額のWEB制作を行わなくても、まずはこの程度で十分なのだとご認識ください。
清永は、
この『自前オンライン展示会』を開催し、第1回セミナーを2020年4月28日に行いました。
図をご覧ください。
この図は、このセミナーをYouTubeライブで配信した際の分析グラフです。
グラフの横軸は時間を、縦軸は視聴者数を表しています。
セミナーは13時から17時までの4時間にわたる長丁場でしたが、
グラフの通り、最大132名の方に参加いただき、
4時間後にも100名以上の視聴者数をキープしていました。
いかがでしょうか?
もしも、見込み客が、あなたの会社のオンライン展示会で行われている
オンラインセミナーに4時間もの間、参加してくれたとしたら・・・
その見込み客は、あなたの会社に少なからず興味関心を持つようになると思いませんか?
こういったことが実現可能になるのが、『自前オンライン展示会』なのです。
『自前オンライン展示会』には、さまざまなメリットがあります。
ざっと挙げるだけでも少なくとも以下の9つのメリットがあります。
あなたもぜひ『自前オンライン展示会開催』を自社の営業プロセスに組み込んでほしいと思います。
『自前オンライン展示会』の開催において、
もっとも重要なコンセプトを練り上げるために肝心なのは、
『売るのではなく教える』という発想に
営業活動をトランスフォーメーションしていくことです。
思えば、コロナが襲来する前までは、営業の重要な瞬間は必ず『密』でした。
商談の第一歩は、「笑顔で名刺交換」でした。
勝負をかけたプレゼンは、当然「顔の見える距離で」行っていましたし、
「がっちり握手」して顧客の心をしっかりつかむことが重要でした。
そして、「深い関係とは距離の近さだ」とばかりに、アルコールを入れながら、
顧客と肩を組んで「エイエイオー!」と言っていたのです。
「営業GNP」という言葉もありました。
しかし、コロナがこの状況を一変させました。
コロナで経営が厳しくなれば、義理による取引継続は期待できません。
そもそも、何度も足しげく通おうにも、接触自粛で面談できませんし、
夜の街で接待なんてもっての外です。
清永自身は、顧客との『密』な時間が大好きです。
「営業GNP」を駆使して顧客に食い込む営業マンを尊敬しています。
しかし、コロナです。
「DX」化が叫ばれる中、こういったやり方は、もうできなくなってしまったのです。
できなくなってしまった以上、新たなやり方を模索するしかありません。
そもそも営業GNP的なやり方には、マイナスの側面もあります。
それは、行き過ぎると属人化し、
コンプライアンス的に望ましくないやり方になってしまうという点です。
三密営業と言っても良いかもしれません。
三密営業とは、密室で、密談しながら、密約する、
という今の時代にそぐわない営業を表す、私の造語です。
私たちは、コロナショックを、三密営業を脱却し、
営業の本質的価値を発揮していくチャンスとして、前向きに捉えるべきなのです。
では、営業の本質的価値とは、何でしょうか?
それは、「教える」ことです。
プロとして、自社が扱う商材の周辺領域における情報、知見やノウハウを教えて差し上げることこそが、
営業の本質的価値なのです。
「お客さまに教えるなんて、果して、うちの弱気な営業部隊にできるかな・・・」
心配ありません。
この「営業としての本質価値」は、
コロナ前まで多くの現場で成果をあげてきた、
このコラムをお読みの経営者の方や営業マンのあなたには、実は、既に備わっています。
そんなあなたなら、「DX」化もオンライン化も、仕組みとコツさえわかれば、すぐに対応できるはずです。
また、社内での経験が浅い若手社員や中途採用の方でも、
『自前オンライン展示会』を開催することで自然と、
「プロとして、自社が扱う商材の周辺領域におけるノウハウ情報を教えて差し上げること」
ができるようになります。
ぜひ教育の場としても実践してみてください。
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