こんにちは!
展示会営業(R)コンサルタントの きよなが健一 です。
新型コロナウィルスによって、
展示会を取り巻く環境も激変しています。
これまで展示会に出展しておられた企業の皆さんは、
展示会についてどのようにお感じになっておられるのでしょうか?
とても気になったので、調査をしてみました。
このコラムでは、
展示会に出展したことのあるビジネスマン106名を対象に調査した
「コロナ禍における展示会の実態及び今後の出展動向」に関して、
ぼくの考察を交えてお伝えしていきます。
※この調査の純粋な結果については、
プレスリリースページの記事をご覧ください。
目次
「Q1.あなたは、今後も自社商品や自社サービスの営業・販促施策として、展示会出展を行いたいですか。」(n=106)と質問したところ、「これまでよりも行いたい」が18.0%、「これまでと変わらず行いたい」が31.1%、「回数を減らすが継続して出展する」が28.3%という回答となりました。
この数字、正直に言うと、きよなが は意外でした。
世の中でこれだけ「コロナ!コロナ!コロナは危ない!」と言われていますから、
もっと多くの方が、
「展示会は、三密になりがちだし、もうやめた!」と考えているかもしれないと
思っていました。
しかし、実に77.4%の方が継続して展示会に出展したいと考えておられます。
やはり多くの企業にとって、展示会出展は重要な営業施策なのだということを
再認識しました。
Q1で「回数を減らすが継続して出展する」「行ないたくない」と回答した方に「Q2.その理由を教えてください。」(n=43)と質問したところ、「新型コロナの影響で対面での施策を控えている」が55.8%、「今のタイミングでの出展は成果が見込めない」が51.2%、「人員的に展示会に出展する余裕がない」が23.3%という回答となりました。
社員の健康と安全を守ることは企業の重要な使命です。
その意味で、対面での営業を控えざるを得なくなっている現状がよく反映された結果だと感じました。
さらに、「今のタイミングでの出展は成果が見込めない」と考えておられる方が51.2%おられます。
しかし、きよなが はこれについては、異議を唱えたいと思います。
コロナ禍で来場者が減少していることなどがそう考える理由なのだと思います。
そう考えるのも無理もないと思います。
しかし、展示会の現場では、またちがった現象が起こっています。
それは、
からです。
このことから、2020年10月現在の展示会では、
優良な来場者を少ない出展者で分け合っているおいしい状況
になっていると言えるのです。
※この件の詳細については、
「コロナ後初、ビッグサイト展示会」の動画をご覧ください。
Q1で「回数を減らすが継続して出展する」「行ないたくない」と回答した方に「Q3.あなたは、新型コロナウイルス感染の心配がなく、これまでと同様に成果が見込めるのであれば、これまで通りの展示会の出展を行いたいと思いますか。」(n=43)と質問したところ、「はい」が55.8%という回答となりました。
この結果からは、新型コロナウィルスが展示会に及ぼした影響の大きさを感じます。
また、「わからない」との回答が25.6%もあり、コロナによって、
新しい営業のやり方を模索しつつも、具体的な方法論の確立には至っていない現状が読み取れます。
Q1で「これまでよりも出展を行いたい」「これまでと変わらず出展を行いたい」と回答した方に「Q4.展示会に出展する場合、これまでの展示会と比較してどのような成果が予測されますか。」(n=52)と質問したところ、「これまでよりも成果は落ちると予測される」が46.2%という回答となりました。
この結果は、裏を返せば、
「これまでと変わらない成果が予想される」と「これまで以上の成果が予想される」の
合計が、51.9%で過半数を超えているということです。
「そうでありたい!」という意気込みや期待も含まれるでしょうが、
感度の高い方は、コロナ禍のリアル展示会のおいしい現状を敏感に察知しているのでしょう。
Q4で「これまでよりも成果は落ちると予測される」と回答した方に「Q5.コロナ禍において、展示会でこれまでと同様かそれ以上の効果を上げるために、オンライン併用などの新しい形の展示会が必要だと思いますか。」(n=24)と質問したところ、「非常にそう思う」が58.3%、「そう思う」が37.5%という回答となりました。
コロナはさまざまなものを激変させました。
マスクが当たり前になり、企業のテレワークは一気に加速し、
パソナは本社機能の淡路島移転を決めました。
企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)ということもしきりに言われ、
デジタル改革担当大臣のポストが新設されました。
そんな中、展示会だけが、コロナ前と何ら変わらない、というわけにはいくはずがありません。
展示会も新しい形に進化していくことが必然だと考えます。
「Q6.あなたは、非接触で実施することのできる、完全オンラインで行う展示会についてどう思いますか。」(n=106)と質問したところ、「非常に興味がある」が29.3%、「少し興味がある」が44.3%という回答となりました。
完全オンラインで行う展示会についても、7割の方が「興味がある」との回答でした。
完全オンライン展示会については、まだ、ベストなやり方が確立されているわけでは
ありませんが、非常に注目されていることがわかります。
「Q7.あなたは、オンラインでの簡単な交流の後に、より興味を示した人に対して対面での展示会へ案内するなど、オンラインとオフラインの両方を活用した展示会マーケティングについてどう思いますか。」(n=106)と質問したところ、「非常に興味がある」が32.1%、「少し興味がある」が50.9%という回答となりました。
オンラインとオフラインを併用した展示会については、完全オンライン展示会への興味よりもさらに多くの方が、
関心をしめしています。
目で見て、耳で聞いて、手で触れて、鼻で嗅いで、舌で味わうことができるリアル展示会と
距離の制約なく気軽に参加できて、検索性や保存性の高いオンライン展示会の融合に
大きな期待を持っていることがわかります。
「Q8.コロナ禍の状況において、展示会に出展することを想定した場合の、課題や不安な点などがあれば自由に教えてください。」(n=88)と質問したところ、「実際に出展した結果来場人数が明らかに少なかった」や「費用対効果が読めないこと」など88の回答を得ることができました。
<自由回答・一部抜粋>
安全面と費用対効果に対する懸念が非常に多くなっています。
大事な社員さんに出展させること、会社の貴重な予算を使って出展することを考えると
これは当然の結果と言えるでしょう。
「Q9.あなたの勤める会社での、今後の展示会出展への意向や計画、方針などがあれば教えてください。」(n=88)と質問したところ、「社会状況次第であり会社方針としては未定」や「オンラインでの展示会を検討」など88の回答を得ることができました。
<自由回答・一部抜粋>
オンラインに対する強い意向が見られます。
また、「オンラインと対面を融合させたハイブリッド形式」についての意見もあり、
「半リアル展示会」が今後のブース出展のひとつの形として定着する可能性を示しています。
※「半リアル展示会」の詳細については、
「コロナでもできる展示会」をご覧ください。
本調査では、展示会に出展したことのあるビジネスマン100名を対象に、コロナ禍における展示会に対する方針とオンライン展示会への関心などを調査しました。
調査では、「回数を減らすが継続出展する」を含めると77.4%のビジネスマンが「今後も展示会出展を行いたい」と考えていることがわかり、営業施策としての展示会への期待が依然として高い水準にある一方で、「新型コロナの影響で対面での施策を控えている」、「今のタイミングでの出展は成果が見込めない」など、コロナ禍での展示会に対し消極的な回答も得ることができました。
そんな中、オンラインを併用した展示会については出展経験者の83.0%が興味・感心を持っているという結果になりました。完全オンライン型なのか併用型なのかなど、運用方法については模索中ではあるものの、多くのビジネスマンがオンライン展示会について高い感心を示しているという実態が明らかになりました。
現在の動向として、「オンラインでの展示会を検討」したり、「最小ブースでコストを抑えてリアル展示会の出展を検討」するなど、展示会に対してさまざまな対応が取られています。今後は、三密回避・ソーシャルディスタンス確保を考慮し、リアル展示会の良さを活かしつつ、デジタル・ITツールを活用したオンライン上での展示会という新たなニューノーマルが生まれると考えられます。